大判例

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東京高等裁判所 昭和46年(う)3357号 判決

被告人 新納実

〔抄 録〕

酒酔い鑑識カードは、もともと被告人の酒酔いの程度を調査見分した結果を記載して作成したものであって、原裁判所においても、被告人の酒酔い程度を立証するという趣旨のもとに証拠調べの請求がなされ、また、その取調べが行なわれたものである。したがって、右カードにある、被検者である被告人についての質問応答状況や被告人の言語状況、歩行能力、直立能力、酒臭ないし目の状態等に関する記載は、あくまでも当該係官の調査見分した結果そのものを表現したものであり、また、その立証趣旨もその範囲に止まるものと解すべきである(したがって、被告人についての質問応答に関する記載も、一定の質問に対して被告人がどのように応答したか、ということ自体を採証の対象とすることになるのであって、その応答の内容が真実かどうかということとはなんのかかわり合いもないのである。)から、この意味において、右カードも、やはり、当該調査者が、単に検知書によってのみならず、自己の五官の作用により対象人物の存在および状態(身体におけるアルコールの保有量をふくむ。)を感得したところをそのまま正確に記載したものとして、刑事訴訟法三二一条三項所定の書面に該当するものと解するのを相当とする。

(樋口 目黒 伊東)

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